元長者番付1位のサラリーマン氏・・2006年12月25日 22:37

今年からいわゆる長者番付が公表されなくなった。個人情報保護の一環だという。要するに種々の セールス攻勢がすさまじく、それを防ぐというのが最大の眼目らしい。それはともかく、昨年5月、 最後の番付が公になったのを見て誰もが驚いた。番付の1位が、会社社長でもなければ、土地長者 でもなく、一介のサラリーマンだったからだ。納税額は37億円弱。所得税の最高税率が37%だから、 この納税額から逆算すると収入(年収)はなんと約100億円。かのサラリーマンの宮仕え先は「投資 顧問業」。いまや自己増殖する価値の運動体としての「資本」が「資本」として存立するのは専ら 金融の領域においてであることを象徴する現象であった。モノの製造、モノの販売ではなく、あるい はサービスのそれでもなく、架空資本の運動を通して価値の増殖がはかられるという超現実。実物資本の「健全性」 とは無縁な、派手、華やかさをまといつつ、底知れぬ虚しさ、妖しさをあわせもつ価値の運動体。

本日発売の『週刊・現代』(1月6日・13日合併号)。かのサラリーマン氏のその後が紹介され ている。見出しは「・・投資失敗で『5億円部長』に」。要するに直近の実績は2年前の20分の1に落ち 込んだことをシニカルに指摘している。まさにスーザン・ストレンジが喝破した「カジノ資本主義」そのもの。相場は 激しく乱高下し、損得はあざなえる縄の如し、というよりジェットコースターの浮沈並というわけだ。

記事は「『年収20分の1』といっても5億円。特に同情する必要もないか」と結ぶ。が、甘い!抉(えぐ)ってないね。これじゃ、どうみても『週刊誌』の結びというほかない・・ (>_<)。

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