“人員削減と外注化”の果てに・・2007年04月26日 21:36

昨日は、JR西日本福知山線の脱線事故からちょうど2年ということで いくつか報道番組が流された。奇跡的に助かったものの、いまなお 電車やバスに乗れないという人の紹介もあった。 今朝7時のNHKラジオ ニュースでは、JR西労組による乗客輸送における安全面に 対する鉄道員向けのアンケート調査結果を報じていた。それによると 事故当時問題とされたいわばJR西日本の構造問題である社員の世代不均衡(中堅層 をなすはずの30歳代が少ない)が是正される気配はなく、したがって ベテランから若手への技術継承の態勢も不十分で、安全面で問題ありとする 社員が事故後2年経ったいまでも過半を占めたという。人員削減と業務の外注化が 進むことにより、JR西日本全体の安全面という点でも不安を感じているとも。 今朝の朝日の社説でも、JR西日本のことを取り上げているが、そこで紹介されている 以下のようなことがJR西日本の体質というか、ただひたすら営利と効率へと突き進む 企業の実体を明らかにしている。

この2月、JR西日本の副社長が、真相究明にあたっている国土交通省の 航空・鉄道事故調査委員会に呼ばれ、意見を述べたとき、委員長に事故原因はと問われ 「わかりかねる」と答えたというのがそれ。「当事者意識のなさに、あぜんとする対応 だった。」

労組のアンケート調査だから当然の結果だろうとみなしてしまったら 判断が間違う。そんな深刻な問題が広がっていると想像すべきだろう。しかも、 人員削減と業務の外注化は、もちろんJR西日本ばかりが強めている わけではないことにもイマジネーションの翼を広げておく必要がある。