ワーキング・プアはデジタル・プアと見つけたり2007年05月22日 08:46

今週の『アエラ』 に「デジタルプアの見えない壁」という特集記事が載っている。 サブタイトルは「携帯オンリーが陥る下流スパイラル」。タイトルとサブタイトル からおおよその見当はつく。携帯さえ持っていればメールもネットもでき ちゃうから、パソコンは要らない、という「携帯オンリー族」がさしあたりデジタ ルプアということになる。しかし、記事を読むと問題の根はかなり深そうである。 デジタル・デバイドという用語がある。ワーキング・プアというのも深刻な問題だ。 最近では「ネットカフェ難民」というのも出現した。デジタル・プアというのは、こ れらすべてをひっくるめた概念とい見た。

働いても働いても満足 に生活ができないワーキングプア。彼らは寝所もままならない。だから雨露をしのぐ ためにネットカフェに引き籠る。しかし実はそこでパソコンを使ったネット世界に習 熟するわけではない。ひたすら仕事が入るのをケイタイ片手にじっと待つ。ケイタイ だけは手放せない。ケイタイは文字通り命綱となっている。

パソコンのアプリ ケーション・ソフトが使いこなせると時給が高い。しかしデジタル・プアは、習得 する時間もなければ費用の捻出もままならない。特集記事はこうも言う。「コンピ ュータスキルは、中学3年の時点で『家庭の生計維持者がホワイトカラー』だと高まる」と。 この「15の春」がその後を決定付ける構造ができているということだ。パソコンの ネット利用者は、「今年、20代の家庭のパソコンからのアクセスが初めて前年を下回った」。 つまり、ケイタイ依存の20代がそれだけ多くなっている。『アエラ』は「デジタル・プア」 のすぐ後に「2.0時代の携帯ビジネス」を企画した。先日ドコモがいくつかの全国紙 に全面広告、「さてそろそろ反撃してもいいですか?」を解説するような記事。そこで は、ケイタイがますますパソコンに近づいている現実を取り上げている。ケイタイさへ あれば、という幻想と詐術の喧伝と読めてしまう企画・・。

そういえば、ケイタイ を使うほど日本語がダメになるという分析 もあったっけ・・。