アマゾンの新サービス2007年06月10日 21:38

消費者心理の問題ということになるのだろうか?アマゾンが、年会費3,900円で、商品の配送料が一切タダとなる新しいビジネス・モデルを開始した。これまでは1回購入金額が1,500円以上の場合には送料がかからなかったが、1,500円未満であれば送料の負担があった。だから1冊1,000円の本を例えば350円の送料を払って購入するということはほとんどなかったのではないかと推察される。ばかばかしいと判断して買うのをやめるか、とりあえずあまり読みたいわけではないが、あってもよい本を1冊追加して1,500円の条件をクリアする、という選択肢を選んできたのではないかと思う。それが年間3,900円の負担で、ハードルが一挙に下がった。のみならずこれまでは追加料が必要だった「お急ぎ便」も無料となる。おそらく予想以上のユーザーが、この新サービスに乗るのではないか。しかも一度払った3,900円を「回収しなければ?!」の心理から、従来よりも購入頻度も増えるのではないか。アマゾンの創業者にして現CEOのジェフ・ベゾスは「ネットインフラが充実し携帯電話での通信も充実した日本なら、確実に成功する」と言っているとのこと。「欲しい!」と思ったら即購入手続きに入り、その流れに掉さす、一見凡庸に見えながらも意外な威力を発揮する仕掛けのような気がする。

消費者心理という点では、今朝の日経に紹介されていた、値引きよりもポイント発生を好む消費者が多い、というのもちょっと面白い現象だ。

コメント

_ ヨシヒロ ― 2007年06月11日 08:31

はじめましてです(こちらでは、ですが)。

最初、アマゾンのページででかでかと張られた広告を見て、正直どうだろう、という気分で見てましたが。単純に12回以上1,500円以下の買い物をするだろうかと自分に問いかけてみると、意外としないかも、と言う答えが返ってきました。

本はなるだけ本屋でぱらぱらとめくりながら買いたいし、CDも視聴したい。何より、そういう身体感覚を完全に情報化できないアナログな自分です。と言いながら、銀行振り込みは全てネット上からやっている自分。貨幣情報の電子化は受け入れられても、趣味の領域では簡単では無いのかも知れません。

_ Ask ― 2007年06月12日 07:22

アメリカでは日本に先行してこのシステムが導入されていましたが,かなり問題になっています。というのは,このシステム,こちらの意思確認がなされないままにそのサービスに加入させられるからです。小生も被害にあい,苦情を言って,返金してもらったクチです。問題だったのは当初はtwo-days-shippingの無料お試しを申し出されるのですが,そのお試しが自動的にこのシステムの加入へとリンクされていたため。小生だけではなく多くのアメリカ人が被害にあっているので,単なる見落としではないと思うのですが,ともあれ,カードの決済情報を見て気づく人が大半らしく被害者サイトまで立ち上がっています。果たして日本ではどうなることやら・・・。

_ spindletree ― 2007年06月12日 08:52

ヨシヒロさん こんにちは。ようこそ。>本はなるだけ本屋でぱらぱらとめくりながら買いたい 本はなるだけ実際に書庫に入ってぱらぱらとめくりながら借り出したい というのは、ものすごく貴重な本とのつきあい方ですよね。リアルの一覧性に上回るものはないと思いますね。また、お出かけください。

_ spindletree ― 2007年06月12日 09:01

Askさん こんにちは。先行したアメリカの情報、有難うございます。>カードの決済情報を見て気づく人が大半らしく被害者サイトまで立ち上がっています。果たして日本ではどうなることやら・・・。 そうですか。一種のだましの術でしたか。おそらくコンプライアンスがうるさいアメリカでのことでしょうから、アマゾンの狡猾さということなのでしょうが。ただ、
ブログでいいたかったのは、1冊200円のコミックをアマゾンで買ってしまう、というのが増えるかも、というようなことでした。物流の問題、1つとっても客観的には決して即肯定され
ることではないと思うし・・。

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