年金問題とプロの目2007年12月13日 11:32

プロ校。原稿書きにはなじみのジャーゴンである。初校ゲラに朱を入れて戻す。ややあって再校ゲラが届く。現在では,このあたりでほぼ最終の形となる。これがいわゆるプロ校にかけられて,ギリギリ吟味される。むしろ,執筆者本人では見落としてしまう誤り等がここで訂正される。プロフェッショナルの校正業が不可欠である所以である。

昨日の朝日の投稿欄(「私の視点」)に,校正業に携わっているプロがいわゆる年金問題について提案している。「支払った年金がもらえない」異常事態を解消するにはどうすればいいのか。プロ校から見た方策は,データ(紙台帳の記録)を別のデータ(コンピュータの記録)に移す際に発生すると考えられる誤りをまず網羅することから始まる。このプロの目を活用すれば,納付者の確定は飛躍的に増やせるはずとのこと。さすがにプロである。しかも,これはあくまでも校正者の視点からのアイデアであって,他の様々なプロの目と技をもってすれば問題はかなり解消するだろうとも指摘している。

もちろん,そのためには厚労省が「データの項目や修復作業の工程など」について情報開示をし,広く方策を世に問うことが不可欠である。

ここ数日,舛添や町村は完全に開き直った。しかも,一部の報道が煽るように,そしてこれはこれで正解にちがいないが,舛添が辞任すれば済むようなことでもない。厚労省/社保庁にプロが不在だとすれば社会がフォローするしかない、という問題なのである。公(おおやけ)もここまでガタが来たという話なのである。しかも,今年の世相を表す漢字が「偽」になったことからはっきりしているように,民間にゆだねることもできない,という問題でもある。「社会がフォローするしかない」というほかないのである。

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