大地震をめぐるいくつかのこと2008年05月21日 22:00

次に危ないのは日本の・・。2月のインドネシア・スマトラ島沖,今度の中国四川省の次は,という意味である。マグニチュード(M7.5)の割りに,スマトラ島沖の場合,報告された犠牲者はいなかったと記憶するが,今回の四川省地震はケタはずれである。「規模は、阪神淡路の20倍,断層の長さ100Km,幅30Km」という。きょうの時点で,犠牲者4万人以上,行方不明3万数千人,負傷者27万5千人。四川省の人口は9千万人ほどだから,映像でみる状況から思えばよくこの数字にとどまったようにも思う。

ところで,大地震。読みは「おおじしん」である。テレビやラジオのアナウンサーは例外なくこのように発音している。「地震」は,「ジシン」と音読みだが,その前につく「大」は,「ダイ」と音読みにせず,「おお」とする。なぜなのか。しかも「ダイジシン」と発した方が衝撃は強く感じられる。大迫力は「オオハクリョク」とはいわない。とまれ,アナウンサー以外の,特に年配者に「ダイジシン」という者が少なくないというのも興味をそそられる。

3年前だったか,中国に行ったときのこと。天津から北京にクルマで移動した。途中,東に唐山市を眺める格好になった際,同行した中国人の一人が,30年ほど前の「唐山地震」(1976年7月)のことを口にした。犠牲者の数(24万人以上)において20世紀最悪の地震だったと言ったあと,この地震があった年(1976年),周恩来(1月)と毛沢東(9月)の両巨星が相次いで消えた,とぼそっと告げたのを思い出す。古来,かの地では天変地異と天命が革まることをリンクさせて考えてきたからである。「天地革まりて四時成り、湯武命を革めて、天に順ひ人に應ず。革の時、大なる哉。」