《架空と現実》―ムイシュキン

1年生のゼミ練習用のテキストに佐高信の講演録を使った。そのなかに次のような箇所がある。「小泉構造改革，という言い方をよくします。・・・これは・・，小泉・竹中平蔵による構造改革ととらえるべきです。みなさんは，竹中平蔵をどうみておられるでしょうか。私はいちおう経済評論家と名乗っているのですが，講演などでよく，『私は経済評論家です。経済を知っている評論家，ではなくて，経済を知らない評論家です』などと言います。つけくわえて，『ただし，竹中平蔵よりは経済がちゃんとわかっています』とも言う。単刀直入にいえば，そんな，何もわかっていない人間が重要な時期に日本経済のもっとも重要な職務についてしまった，ということです」。

1年生の問題点（論点）の設定例。「経済を知らない経済評論家というのはおかしい」，「竹中平蔵をWikiで調べたら，一ツ橋出身で，ハーバードで勉強したこともあり，いまは慶應の教授だとわかった。こういう人を経済を知らないというの的外れではないか」。1年生って，初等教育の・・？と思ってしまう。ことば力，コミュニケーション力の劣化はここまで至った。