景気落ち込みのはやいこと!2008年10月08日 22:11

「地に足をつける」と言う。「腰をすえる」と語義が似る。大地にどっかと座って動じない様の謂いであり,うわつくことなく,ひとところに覚悟を決めて根付くことを指す。従来,正の意味合いで使われてきた。しかし,最近は「正」であるのかは甚だ疑わしくなってきた。フットワークを軽くし,根付くことなく次の地へと転ずる逃げ足こそが利得の機会を与える,と信じられるようになったからである。

小売り大手イオンが,総合スーパーの60店舗を閉鎖すると発表した。背景に,消費が冷え込み,総合スーパー事業が不振に陥ったことがあるという。閉鎖は,東北や西日本の「ジャスコ」「サティ」が主たる対象。郊外型大規模小売店(総合スーパー)が,町の中心部から一挙に客を吸い取り,小規模・零細小売店を力ずくで消し去り,自らは集客力が衰えたと見るや一目散に撤退に走る。あとには日常の買い物にも不便する消費者の群れだけが残る。こうして「地に足をつける」ことを価値的に相対化してしまったツケが露呈する。

消費の落ち込みは,地方に加えて都市部でも急速に進む。今朝の日経は,「縮む高額消費」を特集した。高級料理店,高級ホテル,百貨店(美術・宝飾・貴金属部門)の売り上げが,軒並み失速し始めたとある。今日もパニック的な売りが広がった株式市場。資産価値の大幅な目減りが,即,消費に反映する。これほどまでにagileな反応がこれまであっただろうか。

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