簡易版:卒業論文集2009年03月24日 17:05

「卒論集CD-ROM」
きょうは,
WBCの決勝の日でもあるが,
ローカルには,卒業式の日であった(だから式場ではワンセグがはびこった(>_<) )
それはともかく,今年の卒業生は,
1980年代のバブル絶頂期に生まれ,
いま社会に旅立つ。
戯れに“ビンボー”が飛び交うことはあっても,
「貧乏」や「貧困」が死語となったバブル期。
が,今年の卒業生が,ものごころついた時には,
すでに“失われた十年”がせりだしていた。
そして,「貧困」が冗談ではなくなった状況で職に就く。
卒業生は,この皮肉な
時のめぐりあわせについて
一通り説明することができるはずである。
でも,まあうまく説けなくともいい,としよう。

問題は,入学した時に比べて
どれだけ変わってきょうを迎えたかにあるからである。
目の前のことを感じとることができるようになったか,どうか。
指図されずに動けるだけの自前のセンサーをもてるにいたったか,どうか
「資格とか免許の取得」といった
表面的・形式的なものよりも,
「数値で表現される」ようなものよりも,
とっても大事なものがあることが,
わかったか,どうか。

「どうでしょうかね?」
こんなことを言いながら,
割り当てられた60人ほどの卒業生に,
「卒業証書」を手渡した。
片手で受けとる者。
無言の者。
昔ながらに,時間差をもうけて両手で受けとる者。
謝辞を述べながら受けとる者。
実にさまざま。

ゼミ生には今年も全員の卒論を入れたCD-ROMを作成した。
製本など,大仰なしかけだった昔とはえらい違いである。
卒論そのものが簡便化したのに照応する事態。