朝日「前衛バカ伝説」終了2009年04月03日 22:07

久しぶりに旧友に出会った感じ
といえばいいだろうか。
先月の17日から朝日の朝刊(東京では前日の夕刊)に
連載されてきた
「(ニッポン人脈記)前衛バカ伝説」。
きょうは,「美共闘 終わらぬ戦い」。
そこに次のフレーズを見つけた。
「今、美術家と呼ばれているなら、そこが戦場だ」。
油画家・ 堀浩哉
学生時代,アジビラに書いたとある。

なぜ,旧友に会った時のような感じなのか,
といえば,
「いま自分がいるところ,そこが闘いの場」は
かつて多くの学生をゆさぶった
文字通りの惹句だったからである。

「実践とは,政治的実践の謂いではなく,
生活日常をまっとうすることにほかならない。」
「いま,自らがいる場で起つ!ここにこそ意味がある。」

生活の場,現に自分の関わっている場で,
ありうべき状況を構築していくことこそ,
体制を超えることだという意識である。
自分の生の場とは
無縁のところで活動する,
既成の反体制派に対する差別化
といってよかった。

堀は「ぼくの美共闘はまだ終わっていない」という。
この感覚は,いまとても新鮮に映る。

かつて「常識をぶっこわそうという『前衛バカ』がそこにいた」。
閉塞感漂う現在
「彼らの魂はどこに行ったのか」。
この問題意識が,朝日の連載企画の起動力であった。

きょうの夕刊の「『未来の廃墟』」から未来へ」で
「前衛バカ伝説」は了となった。
読ませる企画だった。
美共闘の伝説の人
彦坂尚嘉という名にも久しぶりに会えた。