最近のわかものは“漢字がよく書ける”!2009年07月21日 21:40

ブログの更新がなかなか進まない。
気がついたら,最近は週1のペースとなっている。
今回は,先週の水曜日以来となった。

ところで,その前回。
末尾に,全国知事会が,政党マニュフェストに
点数をつけるというのを指摘した。
きわどい何かであり,
あやうい何かではないかというニュアンスで書いた。
それは点数をつけることで,
政党が何であるかがわかったつもりになり,
点数をつけられることによって,
政党は点数を稼ぐためだけに
そのエネルギーを費やすことになりはしないか,
と考えたからである。

対象を数値化する,
数量で表現することにともなって,
ついわたしたちがはまりやすい
陥穽を想像したからである。
数字で表現されるわかりやすさは,
当の対象がもつ様々な可能性に
目を閉じることになりはしないか
と思ったからである。

あるいは,次のようなアレゴリーを引き合いに出すと
よく見えてくるような性質のものではないか
と考えたからである。

「最近の若ものの方が,
昔と比べてはるかに漢字が書けるようなった」
というアレゴリーである。
これは半分真であり,
半分偽である。
デジタル機器を媒介として書き出された文には,
なるほど完璧な漢字が,“書かれてある”。
しかし,その見事な漢字を“書いた”本人に,
紙と鉛筆で書かせようとすると,
これがまったくダメである。
話にもならない。
あそお,ってる,のである。

だが,わたしたちは,完璧に“書かれた”漢字で
それを書いたものが完璧であると判断する。
点数をつけて,
ヨリよいものを判断するというのは,
完璧に“書かれた”漢字で,
その作字力を評価するのと違うのか,
という問題なのである。

ちなみに「漢字の母国なのに!自らは漢字を書けない若者が急増―中国」
なる記事をみつけた・・。