球春の到来,入試の到来2010年02月02日 11:40

昨日から入試が始まった。
プロ野球のキャンプインにあわせて,というわけではない。
大学の「一般入試」の解禁日が2月1日だからである。
どうしても他の大学にさきがけて受験生を囲い込む必要が
あってのことである。もちろん受験生の囲い込みは、新入
生の囲い込みは意味しない。とまれ、学部・学科での凸凹
はあるものの,今年の志願者数は,全体として横ばい(微減)
であった。きょうび,地方私大で,微減にとどまるのは僥倖
というほかない。対外的に訴求できる何かをもっているわけ
でもないし,受験生を魅了する特別な工夫を施したわけでも
ないからである。

昨日の日経の朝刊に,「赤字の私大 4割超す(2008年度)」
の記事があった。金融危機による,資産運用益の減少と有価
証券の評価損が,その背景だという。近時の私立大において
は,金融資産をいかに運用するのかが大きなポイントとなっ
ている。カジノ化に組み込まれ,ハイリスク-ハイリターン
の世界にとびこんでいるのである。
教育の民営化,大学の企業化が,教育機関の金融化にまで進
んでいるというわけである。下手をすると授業料(相当額)
が一瞬のうちに消えてしまうかもしれないからである。

日経の記事は,日本私立学校振興・共済事業団のデータによって
いるが,もっぱら大学の資産運用に絞って取り上げた形になって
いる。多くの大学は,受験人口の減少(定員割れ)や補助金の
カットといった問題を抱えていることには言及していない。

もちろん,定員を確保していることが,まっとうな教育機関で
あることを示すものではまったくない。過日,年度末試験の答案
を採点し,だれもが読んで,内容がわかる文章を書ける学生が激減
しているのをあらためて知った。

昨日から,入試答案を前にしながら,まともな文章を書ける学生は,
この中にどんだけいるのかと,
不安・危惧・憂慮・懸念・心細さ,が渦巻き,
鬼胎を抱き,寒心に堪えない・・。