ガクセイうんどう2010年08月18日 21:41

時間の流れが速すぎ,ブログの更新が滞りがちである。
それはともあれ,
連日続く猛暑にも拘わらず,とっても珍しい出来事があった。

4月からゼミ生となったH君が突然部屋に訪ねてきた。
「相談したいことがあるのですが,いま,よろしいでしょうか?」
「いいですよぉ,どぅ~ぞ」
「実は,ぼく“学生運動”をやってみようかなと思って・・」
「んっ?ガ,ガクセイうんどう!」
「1960年代と1970年代に書かれた本を何冊か読みました。
そうしたら,今ぼくのやりたいことは,どうもその時代の
大学生がやっていたこととカブるんです」
「ほーっ!そうなの・・。で,重なるというのは,具体的に
どんな点?」
「大学の枠をこえて,学生が一堂に会し,社会のための
一大ムーブメントを起こす,ということです・・」

どうやら中味というよりも形というか,外見から理解した模様である。

「学生がある場所にあつまって,社会のために何か,する,
というのがやってみたいガクセイうんどう,っていうこと?」
「そうです。仙台だったら,例えばK台公園に数千人の学生が
集合し,チャリティのためのイベントを行うということです」
「学生運動というのはチャリティ活動である,と理解した
ということね?」
「はい。公園のあるブロックではコンサートをやり,他の
ブロックには飲食店を並べ,さらにFlea Marketなんかも企画
する。売上は原則,社会福祉とか海外飢餓救済のために充てる
というようなことを考えてます」
「なるほど」
「いま周りの学生たちは,遊ぶことかバイトにしか興味がないようです。
勉強するなんてヤツは皆無です。もちろん本を読むなんてこともしま
せん。そんな学生生活でいいのだろうか,それで大学出たところで何か
意味があるのだろうか,と思っていたのです。そうしたらY県のT芸術工
科大に通っているgirl friendがまったく同じようなことを考えていたの
で,話がはずみ,どうすればいい?何かできないかな?昔,学生運動と
いうのがあったらしい,ということになって,さきほど申し上げたよう
なイメージになったという次第です」

「面白そうじゃないの。21世紀型学生運動,ま,いいかたももう少し
変えてもいいと思うけど,学生運動のネオタイプがあってもいいのじゃ
ないかな。ただ,コンサートとか飲食店とかフリーマーケットといった
月並みな発想を超えてまったく新しい,いまの学生を振り向かせられる
ような,しかも社会への関心を惹きつけられるような企画を考えてみた
らどうだろう?」
「彼女と一緒に考えてみます。また来ます」

大学が変貌し,大学生が変質し,学生運動がほぼ消えて久しい。
はたして彼は彼女と一緒に,クリエイティブで新しい「学生運動」
を思いつくだろうか?

たまたま書棚に目を向けたら長崎浩『叛乱論』が目に止まった Ach!



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