プロのワザ ― 2010年11月08日 21:28
このブログで何回か“プロ”の消滅を嘆いてきた。
それが,そうでもないかもね,と思わされることがあった。
週末,日本シリーズ(TV中継)を見たからである。
今回のドラゴンズVSマリーンズは,
まことに異例づくしであった。
延長戦が3回もあった。
ドラゴンズが粘って対戦成績を5分にもどした第4戦。
王手をかけたマリーンズが,終盤かろうじて追いつき,
延長15回までもつれこみながら,
結局引き分けに終わった第6戦。
5時間43分の試合時間は,シリーズ史上最長。
昨日の第7戦は12回の攻防のすえ,
マリーンズが勝ち,優勝ペナントを得た。
解説していた江本孟紀によれば,
延長戦の形でもつれるのは,
両チームともに決め手を欠くからで,
プロとしては決して褒められたものではない,
ということになるらしいが,
シロートの我が身からすれば,
一球一打,
ことごとく息を凝らす連続であった。
まさにプロフェッショナルの仕事にほかならなかった。
プロのなせるわざというのは,
ドラゴンズとマリーンズ。
何れも,当方にとって贔屓の情とは無縁であり,
いわば純粋に試合の展開そのものに
釘付けになった謂ということである。
打者の癖を十全に掌握した上での
バッテリーの投球術。
対する,
配球を読みきって変化球をとらえる打の必殺技。
投げる動作の一瞬の隙を突く盗塁。
守備位置を難無くこえるかと思われる打球を
背走しつつグラブにおさめる超美技。
むろん,
それぞれの監督の哲学の違いも際立っていた。
これらすべてが「理」に基づいている,
というのもプロたる所以である。
第1,2,5戦の地上波によるテレビ全国中継が
なかったのも異例であった。
視聴率で身動き取れないTV局には
プロを見抜くプロが不在ということなのだろう。
やっぱ,プロは消滅している・・?
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