ソフトバンク=ボーダフォンの秘策はこれだった2006年05月13日 19:33

ソフトバンクとアップルコンピュータが、日本での携帯電話機事業における提携を決めたという(日本経済新聞 2006/05/13 14版一面トップ) (Web版はこちら)。事業内容は端的に言えば、iPod機能付き第三世代携帯電話機の共同開発、ということだ。携帯電話の契約シェアは、2006年4月末のデータで、ドコモ56%、au28%、ボーダフォン17%(日経、同、11面)。つまり、ソフトバンク=ボーダフォンは、デジタル携帯音楽プレーヤーで他を圧倒している「iPod」をケイタイに組み込むことによって巻き返しをはかるという秘策に打って出たというわけだ。周知のように、アップルのパソコン向け音楽配信サービス(=iチューンズ・ミュージックストア)は1曲150円(一部200円)と相対的に安価だが、ケイタイ向けの配信価格ももちろん低めに設定するだろう。少なくともauの「着うたフル」の1曲300円、しかもコピー不可、を意識したサービスになるはずだ。デジタル財としての音楽の流通がネット配信型にさらにステップアップするのはまず間違いない。

昨日の報道では、総務省が「携帯電話価格に選択制」導入の検討を始めたという (日本経済新聞 2006/05/12 14版一面トップ)(Web版はこちら)。ハード(携帯電話端末)を本来の半値以下で販売し、1年ほどかけて通信料・接続料で、その差を回収する従来のビジネスモデルに対して、ハードを通常価格で販売し、通信料・接続料を低く設定するビジネスモデルをあらたに設けるというのがその内容。一度買ったら、簡単には買い換えないのがポリシーという中高年にとっては「至極まともなビジネスモデルがようやく出現」と映るのではないか。同じ機種をながく使っても余計な負担をしなくともよくなるということだからだ。そうだとすれば、これは携帯電話用の半導体(ICチップ)の確保が常にケイタイメーカーにとって悩みの種になっていることも少しは緩和することにつながるかもしれない。

今年の11月にはナンバー・ポータブルがはじまる。番号を変えずに契約先を変更できるようになる。ケイタイの世界は、来年の今頃は、まったく様変わりしている可能性がでてきた。

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