日経による「スクープ」のタイミング2006年07月24日 21:58

きょうの朝刊の『アエラ』の広告に、例の「富田メモが表に出た事情」とあった。思わせぶりな書き方は、週刊誌の広告の常套手段だが、きょうはこれにあっさりのって購入した。

日経の記者が富田夫人から「輪ゴムでとめられていたメモ」を入手したのは昨年の秋だったという。これは想像通り。つまり、それまで誰も目にしていなかった「メモ」を読んで、その中味のもつ意味に仰天し、直ちにそれをスクープとして流したわけではなかった。メモの内容を十分把握したうえで、それをいつ報道するのかそのタイミングをはかってきたということだ。

そして7月20日、メモは表に出た。その間接因といわば直接的な引き金と。前者が、鉄鋼からITまで今や最大の成長市場である中国との関係を一向に改善しようとしない小泉政権に対する経済界のいらだち。後者が、20日に出版された1冊の本。書名は『美しい国へ』。著者安倍晋三。アエラは、対アジア外交でも小泉の忠実な後継者である安倍が本を出す日に、これからのアジアとの関わりを懸念した経済界の意を汲む形で日経がスクープに打って出た、という宮崎哲弥のコメントでそれを説く。

一応、なるほど、ということか。しかし、報道があってすぐに、福田康夫が身を退いた。これでは仕掛けは不発に終わったも同然ではないのか。あるいはここまで読み切った上でのスクープだった・・?謎は深まる。