「みやぎ憲法九条の会」2006年07月29日 21:17

座席満席、通路に座る人たちも。別室ではテレビモニターを 見る人たちがあふれた(於・仙台市青年文化センター)


「みやぎ憲法九条の会」結成記念のつどい、があった。主催者代表が後藤東陽氏。写真家にして、老舗写場の経営者。東北では初の“自衛隊イラク派兵差止め訴訟”(2004年)の原告となるなどエネルギッシュな老活動家でもある。普通選挙を断行した護憲三派内閣(加藤高明内閣)の成立、 築地小劇場開場、カフカ没が1924年だったが、後藤氏はこの年に生まれた。一昨年一緒に中国に行った時に、その行動力に驚かされた。

「結成記念のつどい」の会場はあふれていたが、後藤氏ばかりではなく、目立つのはもっぱら高齢者。少なくとも中高年の高のほうに分類されるだろう人たちが意外に多い。若い世代は、こうした年寄りによる“おだやかな”集まりを冷ややかに見つつ、別途“ラディカルな”集会をもっているのか、といえばそれがまことに頼りないというのが現状とみた。

記念講演をした渡辺治は、改憲の新段階として自民党改憲案が理想案から現実案へと変わった点に注目した。つまり「九条改正(悪)」と「九十六条改正(悪)」の2つに焦点を絞る形で一挙に攻勢にうって出ようとしている点に政治的なリアルさを探り当てる。九十六条というのは、いうまでもなく憲法改正の発議に関わる条項であるが、ひとまずそのしばりをゆるくしたうえで、後日これをてこに総改正(悪)に持ち込む、というシナリオが浮上してきたことを特に危惧する、と訴えた。

ポスト小泉の総裁選が事実上始まり、“本命”の安倍が「改憲」の意思を鮮明にした。実はすでに第3コーナーか、第4コーナーに入っているということかもしれない。