世界最小・最薄のICチップを何に使う?2007年02月13日 10:44

日立が世界最小・最薄のICチップの開発に成功したという。昨日の朝日の1面で 取り上げられていた(Webではこちら)。 日立はこれまでも世界最小ICチップで ある“μ”(ミュー)の開発実績があるが、“μ”は一辺0.4ミリの正方形の大きさ であるのに対して、今回開発したものはなんと0.05ミリ角。ICチップの用途はい ろいろあるが、いま最も注目されるのはICタグといっていい。例えば紙幣に埋め込 めば偽造対策として使える。もちろん、記事にもあるように「スーパーなどでの 商品の決済システムや、製品の生産履歴の確認、在庫管理などでも活用され」る だろう。

しかし、注意すべきなのは「国民監視システム」にもサクッと 応用できるという点だろう。イギリスの社会理論家アンソニー・ギデンスが「近代 の逆説」と喝破した点とも関わる。例えば選挙権をもつということは、名前、年齢、 住所などによって少なくとも個人が特定されていなければならないというあの点だ。 ギデンスによれば、近代社会は、はなっから「情報社会」だった。

だと、 すればここまで最小化したICチップを組み込んだICタグを、人体に埋め込もうと考える のも大いにアリ!ということにもなり得る。それはもちろん、身体に異変が生じたこ とを直ちに医師に知らせることが可能なのだからという「異議を唱えにくい」ことを まずは前面に掲げつつなされるというようなことだ。あるいは、繰り返し不審な行動 をとる「あいつ(彼/彼女)」は、結局なにをしでかすかわからないわけだからICチップ を体内に埋め込んで衛星で居場所を常に監視すべきじゃないか、異論あるのか?という ような流れがマジ現実となることだ。「近代の逆説」をどう乗り越え得るのか、これが 問題・・。