「内定取り消し」学生に支援の手,だが・・2009年02月27日 20:59

厚労省の発表によると,
この半年,非正規労働者の失職者は
15.8万人にのぼり,
今春大学等を卒業予定の採用内定取り消しが,
千五百人を超えたという。
この千五百人超という数字は,
93年度の調査開始以来,最悪なのだそうだ。
おそらく,
実数はこんなものではすまないだろう。

ところで,
内定取り消しにあった学生に対して
就活の継続を希望する場合
半年ないし1年間の在籍を認め,
授業料を全額免除したり減免する
大学が相次いでいる。
勤務先でも先日取り入れた。
国立大学法人では佐賀大が初めて導入した。

これをどう評価するか,
こうした対応のインセンティブは何か,
と考えると,
どうも,素直には評価し難い感じを覚える。
大学のイメージアップ
という意味で,
つまるところは,
大学のいわゆるマーケティング戦略の一環
でしかないのではないか
と,思われるからである。

なぜならば,
内定取り消しにあった「不運」に,
同情を禁じえないとはいえ,
いまだに1社からも
内定すらもらっていない4年生が
いる,それも少なからずいる,
というのが現実だからである。
こうした学生は,あえて(?)
卒業して既卒者という困難をえらび,
あるいは留年の道を選ぶ。
後者の場合,
授業料等はまともな額である。
大学は,こうした「不運」は一顧だにしない。

まるで,
内定がもらえないのは「自己責任」,
と,知るべしなのである。
内定取り消しの学生への対応は,
「イメージアップ戦略」に過ぎない,
と,いった所以である。