危うし?,インドIT業界!2008年04月29日 22:14

昨日の日経に,「インドIT業界 減速鮮明」とあった。今年に入って既に”Business Week”などでも指摘されていたが,近時のインドの高成長を支えてきたIT産業が失速しはじめた格好だ。一昨年,インドに行き,IT企業にヒアリングした際,強く印象に残ったのがきわめて高い対外依存のことだった。アメリカが圧倒し,ヨーロッパと日本もそこそこの相手国になっているという構図である。これは見方を変えれば,インド国内とのつながりを欠いた形でインドIT産業が勢いをもったということにほかならない。ということは,いわゆるサブプライムローン問題の直撃を受けているアメリカの景気後退が,インドにきわめて大きなダメージを与えるということを意味する。しかもインドのソフトウェア企業にとっての有力顧客は金融機関(日経の同記事)ということだから,事態はヨリ深刻と見ていい。Bricsの一環であるインドの脆弱さということである。

先日,朝日新聞(4月25日朝刊)に「IT ベトナム熱」なる記事が載った。日本企業によるソフトウェア開発の発注相手としてベトナム企業が急浮上しているというのが,その内容。ここ何年か,ソフトの海外発注先は中国やインドが大きな割合を占めてきたが,例えば「日本の技術者は英語が苦手で,インドとのビジネスは容易ではない」から「日本語のできる技術者の育成」を実現しているところがあれば,容易にインドからのシフトが進むのは当たり前である。ベトナムはまさにこの具体例といってよい。以前からベトナムの風土と日本の風土には重なるものが少なくないといわれてきたことを思えば,インドIT業界の直面している事態は相当深刻だといってよさそうだ。あの,とんでもなく優秀な,インドソフトウェア関連技術者たちは,なにかを閃くことはないのだろうか・・?。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://g-village.asablo.jp/blog/2008/04/29/3413990/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。