ツキと生理的身体反応2008年06月04日 19:31

いまはやりの脳科学者の一人に池谷裕二がいる。記憶をつかさどる「海馬」の研究でブレークした。その池谷の担当した『エコノミスト』(毎日新聞社・6/10号)のコラム。短文ながらちょっと面白い。想像力を刺激される。曰く,「英ケンブリッジ大学のコーツ博士は『株で儲かるか否かの予兆が,身体に表れる』という驚くべき研究を報告した」。コーツが,ロンドンの個人投資家260人について,「トレードの損得額と血液内のホルモンとの関係をつぶさに調べたところ」,朝,テストステロンというホルモンが多かった日は,儲ける金額が多く,少なかった日は大損することが判明した,ということを紹介しているのである。「運勢はその日の朝にすでに決まっている――。」

ね,想像力を刺激されるでしょ! 機関投資家は,毎日マーケットが開く前に,並み居るスタッフの血液検査をして,テストステロンの分泌が多いスタッフだけに取引をまかせる,とか。しかし,待てよ!どの機関投資家も軒並み同じ手を用いたら・・?,とか。そういえば・・。1980年代に,証券取引がいわゆるシステム売買=プログラム売買として行われるようになった時にも似たような疑問が生じたことがあったなぁ,とか。今回は,生身の人間の意識を超える生理的身体反応だからヨリ興に乗る。