「定額給付金」つき第2次補正予算・・2009年01月27日 21:21

12月の初旬「現職高校教員研修セミナー」なるものに駆り出された。〈公民〉を担当している高校教員の「研修」として意義のあることを何か話せ,と大分前にいわれていたのである。雲をつかむような企画だと思ったが,その日が近づけば,その場になれば,何か思いつくだろうと高をくくっていた。そして師走を迎えた。アイデアは一向に浮かばない。その日がいよいよ迫り,困ってしまったが,「高校教員―公民担当」ということであれば恐らくは切実な問題となっているに違いないことに思い至った。それは「現代の高校生(=大学生も含めた若者)は,なぜ社会問題に興味を示さなくなったのか?」ということである。これは日常的に自分自身も逢着している問題でもあり,高校の現場にいる教員の方々であれば,共通の問題意識をもつテーマだろうと思った。言い換えれば,高校生が「社会」,「社会の動き」に興味をもつのが当たり前になれば,授業を行う「愉しみ」が俄然出てくる。話は「社会への問題関心の欠如と学力・知力の低下とが相互作用の関係にある」という仮説から出発して,現代社会の構造を読み解くところまで到った。問題関心を惹起するための現実的解決策と根源的解決策も織り込んだ。

ところが・・。研修セミナーに参加した教員の方々のアンケート結果がこのほど届いた。正直,いささか拍子抜けした。それによると,当方と問題意識を共有してくれたのは四分の一に過ぎないと出ていたからである。過半の方々のニーズは,「高校生の社会に対する無関心問題を俎上にのせる」ことよりも,高校生にいま注入すべき「新しい知識」をゲットすることにあると示されていたからである。根源的・構造的なものよりも,実用的でとりあえず何かがプラスされるものということなのである。

きょう, 2008年度第2次補正予算が成立した。例の「定額給付金」が盛り込まれている。まさにアドホックで,実用的(?)目眩ましの世界がここにも,というわけである・・。

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