安部公房が愛読書という高校生2009年11月17日 22:13

AO入試や推薦入試の最終チェックが終了した。
いまは8月終わりのAO入試から始まり,
様々な試験が次々行われる。
昔ながらの2月,3月に行われる
一般入試で入学するものは
全体の約半分に過ぎない。
もっとも,半分を占めるといっても,
一般入試以外の方法による入学者は,
過半を占めてはならない
という文科省の達しがあればこそであり,
この制限を取り払ったら
多くの大学では
一般入試は有名無実になってしまうだろう。
それはともあれ,
先日の「最終チェック」作業。
受験生の作業は
「作文」と「面接」。
当方は「面接」を担当した。

そこで思わずふきだしたこと。
1つは,
わたしが受験生に
「毎日,新聞を読んでますか?」と尋ねた時。
受験生が答えた。「読んでません」
わたし「新聞は読まないのですね?」。
受験生「いーえ,読んでます」。
わたし「??」。
どうもわたしは
「『毎日新聞』を読んでますか?」
と言ってしまったようだった・・。

もう1つ。
志願書に,
将来どんな仕事に就きたいか
を書かせるというのがあった。
ある女子高生の記入は
「国税税務官」。
なぜ?と問うと
「母親の好きな映画の影響を受けたから」と。
「映画というのは『マルサの女』?」
ときけば
「そうです!」。
笑ってはならないのである。
しかし,それにしても・・・。

そしてもう1つ。
これまた
なぜ記入させるのかの真意は不明なのだが,
志願書に「愛読書」を
書かせる欄があった。
「人間失格」やら
「銀河鉄道の夜」やら
「ねじまき鳥クロニクル」やらが出てくる。
ところが,
ある受験生の記入欄にあったのは
『密会』。
「?」
「これは誰が書いた作品ですか?」
答えは「安部公房です」。
思わずつっこむ。
「安部公房の『密会』が愛読書?」
「はい,そうです」
「いまどきの高校生には珍しいですねぇ?」
「いや,そんなことはありません」
「・・・」
「安部公房は教科書に載ってますから」。
いや~,いまや,そういう時代なのである・・。

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