吉祥寺「いせや」、建てかえ2006年09月26日 08:56

今朝の読売「都民版」。“さらば、焼き鳥「いせや」”と大きくある。例の吉祥寺の 焼き鳥の店「いせや総本店」が取り壊されるという。木造店舗が老朽化したので生ま れかわることにしたのだとか。2008年の春に完成予定の14階建ビルの1,2階に入ると のこと。

裸電球、赤提灯。ほぼ半世紀前にオープンした昼間から飲める“大 衆”の店。“大衆”が後景に退き、“少衆”だとか“分衆”だとかマーケティング用語 がせりでて出てきた80年代にその存在感が薄れ、21世紀に入り、レトロな情調が感受 されて行列のできる店になった、というのがそのイメージだ。昨年亡くなった破滅型 フォーク歌手、高田渡が入り浸っていた店でもあった。記事には、いせや店長の「約 20年前からほぼ毎日、愛用の三輪自転車で通った。『酔うと自転車の荷台で寝て、起 きるとまた飲んで』」というコメントが出ている。高田にとっては、「いせや」は一 貫して当初の「いせや」だった。いい店だったが、それはあの“大衆”の店だったから にほかならない。

記事には「建てかえ後の完成予想図」があり、それによると ビルの1,2階はいまの概観をそっくり復元するかのようだ。レトロな情調とは外部のも のの感覚に過ぎない。おそらく建てかえ後は、一時的にはともかくもう行列はできない のではあるまいか・・。