日比谷野外音楽堂,結集2千2008年12月05日 21:25

日比谷公園での労働者の集会。それを伝える記事が載った。全国紙(朝日)の,しかも1面トップにである。テレビでも取り上げていた。こんなことは何年ぶりだろうか?

すさまじい勢いで進む「派遣切り」への怒りと弾劾が,集会を開かせた。参加した数は2千。グローバル金融の破綻と実体経済の崩壊,それがシンクロするスピードは想像をはるかに超える。解雇のヤイバは,非正社員ばかりではなく,正規の労働者にも向けられ始めた。記事は,麻生が,経団連会長でキャノンの会長でもある御手洗を呼び出し,非正規雇用の維持を求めたが,それがあっさり袖にされたことを強調している。大分キャノンが,呼び出しの直後に,請負社員を千人以上削減すると発表したからである。記事は「政治の要請も,景気低迷から身を守る経営の論理にのみ込まれた格好だ」と告げる。記事を書く者には,この間の政治のあり方が,経営の論理に擦り寄るそれであったことが,“袖にする”ことや“のみ込み”ことに接続しているのを見抜こうという姿勢はもちろん微塵もない。

同じ朝刊の社会面には,「海外メディア トヨタへ続々」。トヨタは減益ではあるものの黒字なのに,雇用削減に入ったのはなぜか,を取材する海外メディアの動きを取り上げたもの。記事の中の,韓国テレビ局MBCのプロデューサーの話が目を惹く。彼いわく「このような人員整理をされたら韓国では労働者は怒って行動するが,日本では派遣社員も期間従業員も経営者側に理解を示しているのが不思議」。

しかし,遅ればせながら日本のWorkerも声を上げ始めた。資本主義が,資本主義であることを報せるCrisis/Panicが,声を絞り出させたのである。実に久しぶりにである。

コメント

_ ヨシヒロ ― 2008年12月10日 16:51

昨今の企業側の論理無き横暴は、目を覆うものがあります。しかし、覆ってばかりではいられない、今こそ目を開いて暴力の本質を見通す必要があるのだと、記事を読んで考えました。
海外ニュースで伝えられるスペインの自動車工場(それも日産)では、労働者ストと使用者側との調停を州政府が行い、何とか、生産調整で解雇を撤回させたと伝えられていました。
資本は同じなのに、政府の対応でこれだけ企業の選択が変わることに、メディアが気がついていないということは、日本の公共知の低下に身震いするほかありません。
しかし、変化は始まっているはずです。始めなくては・・・

_ Spindletree ― 2008年12月12日 22:30

ヨシヒロさん,久しぶり!「変化は始まっているはず」。そうですね。この変化も,濃淡や形態の違いはあれ,グローバルに生じていますよね。はたして日本は・・?

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