行革推進法案、衆院通過2006年04月21日 11:05

政府、与党が今国会の最重要法案と位置づけた「行政改革推進法案」が昨日(4月20日)衆院本会議を通過し参院にまわされた。「政府のあり方」を規定するきわめて重要な法案であるが、新聞の扱いは「不当」というほどに小さい。手元にあるものでは、日経が二面11行のベタ記事のみ。朝日は二面13行のベタと四面(政治・総合)記者署名入りの論点整理記事。河北は、やや扱いが大きく、一面に「行政改革関連5法案」の用語解説つきの記 事、二面(総合)「ニュース表・裏」で、法案成立後に表面化すると見られる「総論賛成・各論反対」の動き(各省庁間の綱引き)を見通した記事を載せた。 とまれ、「小さくて効率的な政府」という表現から「簡素で効率的な政府」へと変更したことに象徴されるが、「小さければ良いのか」という批判をかわしつつ、目くらまし的、場当たり的にまずは法案通過をめざしたという感が強い。実質的な議論もなく通過した法案(偽メール問題のせいでもあろうが、本質は政府・与党に「その気」がないことにある)。 2010年までに国家公務員の5%以上、地方公務員の4.6%以上の純減をはかる、政府系金融機関の統廃合、特別会計の見直し、政府資産・債務改革、独立行政法人の見直しetc.がいよいよ具体化される可能性が強まった。教育、医療、福祉という「市場経済」になじまない領域も「市場」で「買う」という方向がさしあたりヨリ一層不可逆的に推進される。「簡素な政 府」で仮にいわゆる国民負担率が低くなったとしても―と、いうことは実はありあえないが―、教育を、医療を、かつ福祉サービスを「個人負担で購入せざるをえなくなる」とすれば、これからの社会がどんなことになるのか。富める者には別に痛痒は感じないだろうが、格差の他方の極にある者にとっては「トンデモ」社会となるだろう。それにしてもこんなきわめて重要な法案がほとんどまともに取り上げられずに通ってしまう現実って何だといえばいいのか・・。