変わるケイタイの世界―続き2006年05月23日 09:19

先日、ボーダフォンを手に入れたソフトバンクの打ち出した「秘策」のことをこのブログに エントリーした。i-Pod内臓のケイタイで巻き返そうという例の話。今朝の日経(14版 11面・企業総合)に、au「ウォークマン携帯」発表の記事が載った。そうするとこの先はドコモもこうした動きに当然追随することになるだろう。相手は東芝か、パナソニックか?

ともあれ、同記事には「財布を忘れても携帯を忘れない人も多い」とある。いまやまさに「個人」をアイデンティファイするツールがケイタイというのはごく当たり前のことになった。コミュニケーションツールというよりも、音楽をゲットしてこれを聴き、メモ代わりに画像を撮ってはこれを保存し、不確かなこと、知りたいことを検索する。はたまた金融決済もできるツールという具合。前世紀末に喧伝された日本型ネット社会は、ケイタイをベースとするところに他国との差異性が現れるということだった。まさしく世界に先駆けて、ケイタイ一体型生活日常というネット社会のモデルが、まず日本で現れようとしている。

もちろん抱えた問題も多い。日常の「すべて」をゆだねるがゆえの危険。まずは個人認証の問題。紛失時などに拾得者がなりすましてしまうかもしれない問題ということだ。紛失をいちはやくどうやってしかるべきところに伝えるのか。紛失に気づけばまだいいだろうが、しばらく気がつかなかったというのは中高年には大いにあり得ることだ。また当然ことながらウイルス攻撃も想定することが不可欠になる。電話、デジカメ、音楽プレーヤ、電子財布、検索ツール等等、フルに使えば当然バッテリーがこれに耐えられるのか。大容量バッテリーでなければ使いものにならない、でもそれだとかさばってしまうというのではしゃれにもならない。そして何よりも「個」が前面に出る「共同体社会」の相対化という人間社会の編成に関わる大問題もある。考察すべきことは尽きない・・。