明治生まれがケイタイをもった2007年08月12日 21:53

明治生まれにケイタイをもたせた。老人ホームでは各居室に電話をつけるかどうかは入居者(身許引受人)が決める。本来であれば使い慣れた固定電話がいいのだろうと思ったが、試しにとケイタイ電話をあてがってみた。もちろん「しんせつ」「かんたん」「見やすい」「あんしん」をウリにしている、大沢親分、大竹しのぶ、假屋崎省吾などがTVCMに出ている例のやつ。もちろん、大竹しのぶ、假屋崎省吾なんて若すぎて話しにならないし、一番ロートルの大沢親分よりも、約ふたまわりも上の明治生まれには「しんせつ」「かんたん」なんて何処のこと?でしかなかった。まず、開けない。偶然に頼るほかない。偶然ひらいたが、ワンタッチボタンとかなんとかといっても、相手にかけるためには実は最低でもトゥタッチ(two touch)の操作が必要なのである。これでは難しい。難しすぎる。しかも「ワンタッチ」の登録件数はわずかに3件。数字ボタンを使えば13箇所になるが、その場合当然1~3は使えない。使ったら混乱するだけだからである。相手からかかってきたときに受ける〈出る〉操作も問題だ。コール音だけでパニクっているのに、スムーズに出られるわけがない。ここを押して耳をあてるだけといっても、その押すボタンが赤色を発光しつつ点滅するのだから、脅し以外の何ものでもない。

とは、いえ、ここ1週間で、何とか自力でかけられるようになった。「温泉は飽きた。週に2回しか入れない温泉なんて。はやく帰りたい」と訴えてくる。だいぶsenileが進んできている。しかし、訴えるものがあればケイタイもつかえるようになるということなのか・・。

本日、行ってみたら、卓上ホルダーにちょうどさかさまに入れていた。「しんせつ」「かんたん」は見た目がどっちが上か、にわかにはわからないようにできているのである・・。

三洋電機が携帯電話事業の売却を決めたという。シルバーフォンという手もあったのではなかろうか・