市場原理主義の膨張と「非営利組織」2006年02月14日 11:45

いま住んでいる市には、サッカー、野球、バスケット(発足したばかりのbjリーグ)のプロチームがある。この三種類の球技のプロチームをもつのは、東京と大阪とここだけらしい。で、サッカーチームは赤字だが、昨年出来たプロ野球球団は予想とは逆に初年度から黒字(1億5600万円)だった。その背景には県営球場の使用料が10年間は7割引、大型補強をしない、球団職員の給与水準の圧縮などがあるようだ。しかもこうしたことに加えて、試合日の球場の雑仕事、球場内外の環境保全、救急医療などをボランティアが支えることも大きな要因と見られる。つまり「黒字」は、球団経営周辺の大いなる「犠牲」と「非営利活動」に依存した結果ということになる。いわば市場原理の徹底とはこうした構造のもとに進行する見本といっていい。とはいえ、こうした「基軸と周辺」の構造とは別に、「市場原理主義の蔓延・膨張」と「非営利組織の台頭」「非営利的活動の進展」とが同期しているのも事実だ。その意味、背景を剔抉することが緊急の課題と思われる。とくにITとの関わりを読み解く必要がありそうだ。