小型充電池問題2006年12月12日 17:36

先日、ドコモのケイタイが異常発熱し、場合によっては発火するというので回収を始める と報じられた。三洋がOEMで三菱に供給した機種。1日おいて松下製にも 同様の問題があることが判明した。今年はSONY製のバッテリーを搭載したノート型パソ コンが火を噴いたことで大きな問題となったが、ここにきてケイタイもそれに加わった。

この「小型充電池問題」を3つのポイントで考 えてみる。まず技術開発上の温度差。「中心(基軸)と周辺」というカテゴリィがあるが、 技術開発の対象が中心にかたより、周辺には目が及びにくいといのがここでいう「温度差」。 もっぱら中心=本体の改良に意を注ぎ、周辺機器は二の次になるという図式にほかなら ない。もちろんバッテリーはACアダプターなどとならんで周辺・付属機器に位置づけられてきた。 だから、電源を入れたら、即座に起動することを強く要望するユーザーがごまんといても 依然付属機器の扱いがそのまま続いてきた。火を噴く充電池というのは、即起動という過大な負荷 に技術が追いついていないことを意味する。

もう1つが、企業論理の問題。欠陥品であることを認識してなお公表しない。もちろんバレた らそれだけ傷口は深く大きくなる。ドコモの出費は結局30~40億円にのぼった。公表せずに なんとか乗り切れるという思い込みが何度も繰り返される「悲劇」というより「喜劇」。被害にあったユーザーの怒りはいかばかりか・・。

機種の 短命化の問題もある。企業間競争によって頻繁にモデルを替えることが宿命付けられている。もちろん、 これを演出する仕掛けがあるのは周知のことだ。例えば広告を先頭とする意識産業のユーザー向け オルグは"完璧"だ。ユーザー(=消費者)は、自ら店頭出現を"命令"した機種が次々と出てくる と観念するようにつくられている。もちろん「観念が」「つくられている」ことは意識されることは まずない。だからしょっちゅう買い換える(本体を安くしつつ、それを高めに設定した通信料・回線使 用料などのランニングコストで回収する、という手法への対応策という面はある・・)。とまれ、こう して1つの機種が現役で店頭を飾るというのはわずか数ヶ月という事情が生まれた。しかしビジネスみ ずから仕掛けたこうしたワナが、みずからを苦しめる結果になっている、というのが「小型充電 池問題」なのではあるまいか。初期段階で、何か不具合がありそうだとわかったとしても、その原因を突 き止め、技術的に対応するという時間は与えられていないからである。欠陥品がそのまま店に出てしまう のを防げない。「早く、早くって言われてもねぇ」という技術屋さんの本音を受け容れるだけの 余裕はいまのビジネスにはない。

と、書いたところで、歳末セールで、ケイタイを替えようと思って いたのを思い出した。いざYDデンキへ・・(*^.^*)。

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