SUVとSIVと2008年01月28日 22:48

クルマを買い替えた。走行距離は4万キロ台とまだまだ余裕のうちだったが,丸11年世話になったので,メンテナンスが嵩むようになった。クルマのカテゴリーは,SUV。見た目はむしろセダンのように思われるので,SUVという分類に属すものとは思っていなかったが,客観的にはそうであるらしい。SUVは,Sports Utility Vehicleの略。いわゆるオフロードを走ることも念頭においたクルマとのこと。こちらは,悪路を走るのはできれば避けたい性質なのだが,見た目だけで選んだらこのような結果となった。知人によれば,アメリカではSpace Utility Vehicleといい,ざっくりとした空間がウリのクルマだという。

それはともかく,今日日SUVと聞いて連想されるのは,SIVなのではあるまいか。つまり,昨年の7月にいわゆるサブプライム問題が大問題となったが,アメリカ金融市場に限らず世界の金融市場を一大混乱に陥れる火種となるのではないかと騒がれている,あのSIVである。サブプライム・ローンという「ヤバイ」貸付を,「健全な」ものと偽装する仕掛けの1つである,あのSIVといえばよいであろうか。「ヤバイ」貸付を隠蔽すべく,貸付に伴なって生じる「あぶない」債権を,細分化した上で証券に転形する仕組みの中軸に位置するのがSIVである。まさにリスキーな証券を積極的に運用する特別目的会社であるが,実体は大手金融機関のいわば下請ないしトンネル会社。なぜ,このSIVがもてはやされるかといえば,SIVとの取引は会計帳簿への記載義務がなく,したがって監督官庁の監視外となるからである。ところが,SIVの資金繰りが悪化し,リスキーな証券を動かすことが困難になってきた。つまりSIVは,Structured Investment Vehicleの略なのであるが,このVehicleが暴走の果てに,深刻な巻き添えを食らわすかのような様相をみせつつあるのが最近の金融市場なのではないかということである。もっとも,こうした仕掛けにVehicleと名づけるセンス,これは買っていいように思うが,どうだろうか・・。