葦の髄から天井のぞく・・の類 ― 2006年05月31日 21:56
ここ数日のささやかな日常体験から「市場」の弛緩ないし機能不全を見たという話。以前、素人だらけの現代日本―プロの消滅 ― というタイトルで
エントリーした。要するに、雇用改善といわれるなかで、増えているのは非正規雇用者であり、いつ就労から排除されるか分からないきわめて不安定な雇用環境のなかで、プロ意識のない素人が前面に出るようになった現実を取り上げたのだった。
その事態がやはりそこかしこに見られるようになったのを実感した。例えば、4日ほど前、新宿西口にホームがある某(情報)家電量販店の当地ブランチに行った。DVDレコーダーの買い替えを考えているのでまずは説明を聞きにいったと思っていただきたい。いま、我が家では、ケーブルテレビで視聴しているが、デジタル画像のレコーディングはなかなか複雑である。録画自由かと思えば1度だけ許されるとか。こうしたことも含めてあれこれ質問したのだが、適切な回答は聞けなかった。
そして本日。デジカメを新規購入する必要があって、まず見積もりを、と頼んだら、これがいけなかった。見積もり作成の手順を知らない店員にあたってしまった。他の店員にいちいち尋ねながら出来上がるまでに15分弱。たった1枚の見積書なのに・・。質問したらダメ、見積もりをとろうとしたらパニック。商品売買の「場」が機能不全に陥っているとしか思えない。市場経済の中心が「空」か「虚」になり始めたのだと思わざるを得ない。ロラン・バルトが『表徴の帝国』で、東京の中心にある、なかが見えないあの森の空間を日本社会の重層的な表象関係においてとらえ、実は中心が「空虚」だと喝破したことが想起されるが、ことはそれに匹敵するかそれ以上かもしれない。
その事態がやはりそこかしこに見られるようになったのを実感した。例えば、4日ほど前、新宿西口にホームがある某(情報)家電量販店の当地ブランチに行った。DVDレコーダーの買い替えを考えているのでまずは説明を聞きにいったと思っていただきたい。いま、我が家では、ケーブルテレビで視聴しているが、デジタル画像のレコーディングはなかなか複雑である。録画自由かと思えば1度だけ許されるとか。こうしたことも含めてあれこれ質問したのだが、適切な回答は聞けなかった。
そして本日。デジカメを新規購入する必要があって、まず見積もりを、と頼んだら、これがいけなかった。見積もり作成の手順を知らない店員にあたってしまった。他の店員にいちいち尋ねながら出来上がるまでに15分弱。たった1枚の見積書なのに・・。質問したらダメ、見積もりをとろうとしたらパニック。商品売買の「場」が機能不全に陥っているとしか思えない。市場経済の中心が「空」か「虚」になり始めたのだと思わざるを得ない。ロラン・バルトが『表徴の帝国』で、東京の中心にある、なかが見えないあの森の空間を日本社会の重層的な表象関係においてとらえ、実は中心が「空虚」だと喝破したことが想起されるが、ことはそれに匹敵するかそれ以上かもしれない。
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