いわゆる「国策捜査」とは・・2006年07月03日 22:40

「検察がおかしい 驕りと暴走」。フリージャーナリスト魚住昭の本日発売『アエラ』への寄稿。この間謎だった、ライブドアや村上ファンドを“お縄にするための”東京地検特捜部の異常とも思える意気込みのウラを抉る力作だ。

ライブドアや村上ファンド事件に対する特捜検察 は「ブレーキの壊れた車のよう」というのが魚住の基本的視点。ライブドア関連での特捜の暴走の引き金を直接引いたのが「フジテレビの日枝久会長の怨念」だったという“愛嬌”の指摘も。

ライブドアは「根も葉もない 噂話がいつのまにか現実のように錯覚されてしまった。その意味でライブドア事件は巨大な2ちゃんねる事件だった」という、ライブドア幹部がもらしたという言葉を肯定的に引用しているのが興味を呼ぶ。

山場は、1993年金丸信を巨額脱税容疑で逮捕したことで、検察が「拍手喝采」をうけ、それに気をよくして「国策捜査」に踏み出したというくだり。「検察OBが政府機関のトップに次々起用され」「国家の秩序を支える司法官僚としての自負心が驕りに変わった」。ここにいたって“組織の安泰をはかることが至上命題となる。だから「時代の『象徴的な事件を作り出し、それを断罪する』作業」を繰り返すことになった、と。こうしたなか実は「捜査能力は低下し」、しかも「モラルハザード」が日常化するなかで「これまで手の出なかった企業社会の中枢に検察の“縄張り”を広げていく」ことが始まった。「その絶好のターゲットとして選ばれたのがライブドアであり、村上ファンドであった」。納得できる、か?はともかく、想像力が膨らむストーリイではないだろうか。“この国の権力のかたち”が、とりあえずわたしたちの想像力の及ぶ範囲にあるの・・か・。

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