ロストジェネレーションというまやかし・・ ― 2007年01月10日 23:43
朝日で元日から連載されている企画の1つが「ロストジェネレーション」。
「ロストジェネレーション」というのはもちろん第1次世界大戦という未曾有の
「大戦争」を目の当たりにし、戦後価値観のアイデンティファイにゆれたアメリカの当時の青年たちのこと(だった)。これをもじって「失われた10年」すなわち" Lost Decade"期に社会に出た日本の世代を取り上げるというのがこの企画。元日の記事には
「今、25歳から35歳にあたる約2千万人は、日本がもっとも豊かな時代に生まれた。
そして社会に出た時、戦後最長の経済停滞期だった。『第2の敗戦』と呼ばれたバブ
ル崩壊を少年期に迎え、『失われた10年』に大人になった若者たち。」とあった。
「時代の波頭に立ち、新しい生き方を求めて、さまよえる世代」という意味で共通する
と主張するが、「第1次大戦」と「バブル崩壊」とではその歴史的意味はまるで違うのに
というのが率直な感想。
それはともかく、本日の登場人物。灘中、灘高、東大法学部、 大蔵省(当時)から米ゴールドマン・サックス(GS)、米投資ファンド KKR日本法人へと転じ、さらに現在は「自分で名刺を刷り、コピー機のリース契約までする新進企業」 に身をおく31歳の男性。「日本がダメだ、というのは分かっている。それを自分の力でどうよ くするか・・」「自分で起こせる波は大きくなった・・」と独り言ちる。マジで。
企画記事は、 この人物だけでなく農水省→外資系コンサルティング会社→フリーの翻訳業と転身した34歳男性。日銀 マン→著述業の35歳男性。文科省→人材コンサルタント業の32歳男性。そして国交省→IT関連ベン チャー企業ときていま起業を模索中という26歳男性など、自発的に官僚機構から離れた人たちにスポット をあてる。
官僚機構という敷かれたレールを降りるエリートたち。記事はこれをキャッチーとしている。 しかし、「官僚機構」をなぜ彼らは見放したのかということに関して、「官僚機構」の何が問題の根源 なのかは一向にはっきりしない。「官僚機構」がダメだというのなら、ダメにしたのは何なのか。
独りで“稼げる”エリートを引き合いに出して、つまり圧倒的多数派の代表単数とは決してならない例を持ち出して、どこが「ロストジェネレーション」だというのか、これもまるで不明。
それはともかく、本日の登場人物。灘中、灘高、東大法学部、 大蔵省(当時)から米ゴールドマン・サックス(GS)、米投資ファンド KKR日本法人へと転じ、さらに現在は「自分で名刺を刷り、コピー機のリース契約までする新進企業」 に身をおく31歳の男性。「日本がダメだ、というのは分かっている。それを自分の力でどうよ くするか・・」「自分で起こせる波は大きくなった・・」と独り言ちる。マジで。
企画記事は、 この人物だけでなく農水省→外資系コンサルティング会社→フリーの翻訳業と転身した34歳男性。日銀 マン→著述業の35歳男性。文科省→人材コンサルタント業の32歳男性。そして国交省→IT関連ベン チャー企業ときていま起業を模索中という26歳男性など、自発的に官僚機構から離れた人たちにスポット をあてる。
官僚機構という敷かれたレールを降りるエリートたち。記事はこれをキャッチーとしている。 しかし、「官僚機構」をなぜ彼らは見放したのかということに関して、「官僚機構」の何が問題の根源 なのかは一向にはっきりしない。「官僚機構」がダメだというのなら、ダメにしたのは何なのか。
独りで“稼げる”エリートを引き合いに出して、つまり圧倒的多数派の代表単数とは決してならない例を持ち出して、どこが「ロストジェネレーション」だというのか、これもまるで不明。
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