USEN、ライブドアと一蓮托生へ。その真意は?2006年03月18日 23:27

3日前(16日)のニュースだからもう「ふるッ」なのだろう。USENがライブドア支援に出たというニュース。要するに、USENが、ライブドアとの業務提携を決めたという一件。具体的にはUSENの社長が、企業本体にリスクが及ぶのをひとまず回避するということで個人の資格で、ライブドア全株の12.75%に相当する株をフジテレビから買い取り(95億円の支出)、ライブドアの支援に乗り出したという。これの本当のネライはどの辺にあるのか、これがなかなか分かりにくい。フジテレビとしては、1億3374株を1株71円で(買値は329円)で売却して、結局345億円の損失を出したものの、厄介払いができたのだからその意味は大きかったと見られる。それに対しUSENだが、表向きでは、ライブドアのポータル事業を取り込み、インターネット広告の拡がりを背景にすでに会員数が800万人に達した無料映像配信サービス(Gyao)のさらなる充実をはかるというようなことが当然考えられる。ポータル事業のランキングは、Yahoo!がトップで、Google、楽天、Mixiと続き、5番目にライブドアが位置する。ネット企業としては珍しくコンテンツの自主制作に力をいれているUSENが、有線網をベースとする通信事業(光ファイバーによるブロードバンド事業)と映像配信事業の何れの体力も向上させる目的で、瀕死の状態にあるとはいえポータル事業で実績をもつライブドアを抱き込んだという解釈だ。17日にはソフトバンクが、ボーダフォン買収を発表したが、ケイタイとネットを特徴とするソフトバンクグループに対して、通信事業(光ファイバー)を基盤に、パソコンとネットの組み合わせというオーソドックス・スタイルのUSEN=ライブドアグループという構図が出来上がりそうだ。とはいえ今ひとつUSENの真意が見えてこない。仮にサイバーモールと金融事業を柱とする楽天がTBSとの経営統合に成功するとすれば(いまのところ全く動きがないし、可能性もないが)、それぞれ性格の異なるネット企業グループによる三つ巴の戦いになって、それはそれで面白そうに思われる。でも、ウラ世界、深い闇につながってきたといわれるライブドア。飲食店・歓楽街をビジネスの舞台として収益を上げてきたUSEN。このあたりに何かある、と見たらもっと興味が湧いてくるような気がする・・。