ユニバーサルサービスに名を借りた“とんでも”制度?2006年11月24日 23:59

先日、総務相の諮問機関である情報通信審議会の電気通信事業部会が、NTT東日本と西日本が、 固定電話の全国一律サービスを維持するため、不採算地域の赤字を通信事業者全体で補てんする 「ユニバーサルサービス」制度をスタートするのを認めた。これをうけて、早速KDDIとソフトバ ンクが、固定電話、携帯電話、IP電話などを問わず、電話の全利用者から月7円(税別)の負担 金を取ることを発表したという(Asahi.com)。 来年1月から、契約1回線ごとに、基本料金や通話料金に毎月7円を上乗せする、というのがその内容。 通信事業者全体(56社)で負担する補てん総額は、およそ153億円とのこと。これをどう解釈するか。

計算は次のようにできる。現在の固定電話契約者数5千万、ケイタイ契約者数8千万、IP電話契約者1.2千万。総計1億4千万人。153億円をこれで割ると108円。そして108÷7=15.4。 15ヶ月で回収完了となる。つまり、「通信業界全体で穴埋めする」といっても実は利用者にすべて転嫁されるということのようだ。もちろん15ヶ月経過した後も徴収し続けるのだろうから、もしこの通りだとすればまことに不思議な“とんでも制度”が始まるということになる・・。あるいは、ユニバーサルサービス維持なのだから、不採算地域の赤字といえば企業努力というよりも利用者みんなで引き受けよう、という脱営利の世界の話・・?!