“一期一会”の含蓄2007年04月23日 19:16

紙媒体の雑誌をネットを通じて デジタルマガジン として販売する ビジネスが誕生したとある(今朝の日経 13面 企業2)。便利が また1つ増えたと思うと同時にこの便利を素直に受け入れがたい という気持ちが頭をもたげる。ビジネスの仕掛け人いわく「紙 媒体の雑誌は『生鮮品』という考え方が強く、発売後一定期間 が過ぎると記事データを活用せぬまま、努力して作ったコンテンツ を捨てて」いた。しかし「ネットでこそ出版社のプロが作った雑誌 をバックナンバーを含めて提供すべき」ではと。「ごもっとも」と思う。 「でも」とも思う。プロが作り上げたコンテンツが、月刊誌であれ ばわずか30日ほどで消えていくがゆえに、これを読む時の高揚と 緊張感があったのではないかと思う。つまり“一期一会”という単なる 四字文字熟語でしかない印象を与える文字列が俄然くっきりとその 意味を訴える瞬間があったのではないかと。だが、しかし、これからはオンデマンドで いつでも好きなときに即呼び出せることになった。気持ちの弛緩は 否定しがたいというべきだろう。尤も、最近ではこうした精神の 高ぶりを感じさせる雑誌がめっきり減ってしまったのも事実である。 ともあれ日本では1970年代にVideo Tape Recorderではじまった 情報ストックといういわば“一期一会”を無化する試みが限りなく あらゆるメディアに浸透する現実が急速にひろがる。とりあえず 30誌余りでスタートし、いずれは発行されている全雑誌(2500強) をカバーするとのこと。

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