公務員バッシングという矮小2007年05月14日 23:28

今朝の河北に政治学の佐々木毅が「公務員制度の劣化深刻 人事管理に新発想を」が載っていた。連休前に官僚の「天下り」についての政府・与党合意ができたことをモチーフとして寄稿したもののようだ。「政府全体の機能の見直しが避けられない中」、公務員制度改革が焦点の1つとなったが、結局それが「天下り」問題に矮小化されたことを指摘しつつ、 政府・与党の合意の底にやる気のなさが流れているのを衝くというのがそのスタンス。1つは、「合意」の柱になった新しい人事評価制度(=能力・実績主義)を誰が主体となって実現するのかが明確になっていないこと。2つめは、すさまじいまでの公務員叩きが進行した結果、すでに官僚には「優秀な人材がいなくなっている」霞ヶ関の現状を無視した格好となっていること。佐々木は、大きくはこの2つをあげて、「合意」は弥縫策ではないかという。佐々木に、能力・実績主義に基づく人事評価制度そのものが問題であることをとらえよ、というのはいわばないものねだりになるのだろうが、せめていま猛威をふるっている「公務員バッシング」という矮小な現象のウラに何があるのかを剔抉しようという姿勢くらいは見せて欲しかった。

参院本会議で改憲投票法案の採決が強行された。実にあっさりと法案が成立した。午後3時近くWebのニュースサイトを見たら、このニュースは他のニュースとまったく同様の扱いでしかなかったのが印象的だった。採決の強行直後はニュースサイトのトップに置かれたのかもしれないが、仮にそうであったにしてもほんの一瞬だったということになる。Webでは、ことの軽重はかぎりなく希薄になっている。ちなみにリアルペーパー(河北の夕刊―仙台では全国紙の夕刊は発行されていない)の1面トップはこのニュースだった。

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